プロローグ

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「そっか。それなら良かったぁ。ん、それじゃ私部活だから」 彼女はそういうと、また走って行った。 しばし後ろ姿に見とれていたが我に返り、 「やっば、俺も部活だ」 そう呟くと、走って体育館へ向かった。 「茶髪のセミの可愛い子?そんなやつたくさんいるぜ」 俺は部活の時間にさっきあった出来事を、先輩に話した。 「てかお前、廊下で美少女とぶつかって恋に落ちるとか、安っぽいラノベや少女マンガでももうねえよ」先輩は笑いながら言った。 「べっ別に好きになったわけじゃないですって」 俺は慌てて訂正した。 俺は可愛いと思っただけで、すっ好きになったとは一言も… そう思った瞬間一気に体温が上昇し、顔が赤くなった。 「ほれ、やっぱ好きなんじゃねーか。まあお前がホレるくらいだから相当な可愛さだったんだな。で何部なんだその子?」 「さぁ分かりません。その子すぐどっか行っちゃいましたし」 先輩も呆れた顔していた。
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