第一章~偶然~

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ふと窓の外を見れば、もう真っ暗だった。 「今日も一番最後か・・・帰ろうかな。」 いつもこのやりがいのある仕事に熱中してしまい、帰るのが最後になってしまう。 明日は明日はと思ってみても、やっぱり仕事モードに入ってしまうと毎日それを繰り返してしまう。 そんな自分にちょっとため息・・・ 机の上に無造作に置かれている書類を片付けながら、パソコンの電源を落とす。 毎日行っている仕事終わりの作業も手慣れたもの。 カバンを持ち、出口である扉へと向かうと、私は後ろを振り返り、自分以外誰もいない部屋に向かって、 「お疲れさまでした。」 と言い頭を下げる。 これは私が入社当初からしていることで、仕事が終わった自分なりのケジメとでも言うもの。 今ではこれをしないとなんだかスッキリしない。 扉の横にあるスイッチに手をかける。 パチッ パチッ 音と共に光が消える。 「ふぅーーーー・・」 少し長めのため息をつき、後ろ手にパタンッと扉を閉める。
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