一、仙人降臨

4/28
前へ
/316ページ
次へ
大聖から詳しい話を聞くと、真っ先に私に疑いがかかったのには二つの理由があるとのこと。 一つは、私は仙界においては下位の位置にいること。 ようするに落ちこぼれ。 月の雫を奪い仙の力を高めようとした…ということだ。 そしてもう一つは…… 私は月の力で生まれし仙人だということ。 私が月の雫を手にすれば… この仙界を瞬く間に支配できる…という疑いだ。 大聖「お前は月の御子だからな…疑われても仕方ないんだろうが…」 棗「大聖だって私のこと疑ってるんじゃない?」 大聖「バカ言うなよ…驚きはしたけど、お前がそんなことするはずないこと分かってるさ」 大聖とは幼子の時から付き合いがある。 人間で言えば幼なじみだ。 大聖「とにかく、疑いがお前にかかってる以上何としても誤解解かなきゃな」 棗「…………」 正直、どうでもよかった。 私に疑いをかけられようが裁きを受けようが… 私は仙界の『忌み子』なのだから…
/316ページ

最初のコメントを投稿しよう!

121人が本棚に入れています
本棚に追加