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大聖から詳しい話を聞くと、真っ先に私に疑いがかかったのには二つの理由があるとのこと。
一つは、私は仙界においては下位の位置にいること。
ようするに落ちこぼれ。
月の雫を奪い仙の力を高めようとした…ということだ。
そしてもう一つは……
私は月の力で生まれし仙人だということ。
私が月の雫を手にすれば…
この仙界を瞬く間に支配できる…という疑いだ。
大聖「お前は月の御子だからな…疑われても仕方ないんだろうが…」
棗「大聖だって私のこと疑ってるんじゃない?」
大聖「バカ言うなよ…驚きはしたけど、お前がそんなことするはずないこと分かってるさ」
大聖とは幼子の時から付き合いがある。
人間で言えば幼なじみだ。
大聖「とにかく、疑いがお前にかかってる以上何としても誤解解かなきゃな」
棗「…………」
正直、どうでもよかった。
私に疑いをかけられようが裁きを受けようが…
私は仙界の『忌み子』なのだから…
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