-序章-

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家(?)らしきものの目の前まで来た学は歩みを止めた。 「家というよりは小屋か?」 学は近くまで来て、それを確かめるように見回したが、ただの小屋にしか見えなかった。 もっとよく確かめようと、学は家の周囲を歩き回ったが窓は一つもなく、正面に入り口があるだけだった。誰も住んでいないだろう、そう思った学は戸に手をかけた。 ギイィィーという気味の悪い音と共に戸が開く。 窓がないため中は真っ暗で、数メートル先は太陽の光が差し込まず、学に恐怖心を植え付けた。 と、同時に好奇心も煽ることになった。 「お邪魔しまーす・・・。」 学は誰もいないとは思いながらも一応挨拶をした。 行儀は母親に叩き込まれていたので勝手に言葉が口をついただけかもしれない。そして学は中に足を踏み入れた。
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