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そうして半同棲みたいな3ヶ月が過ぎて。
ある日ぽつりと春が言った。
「律のネックレスって、どこかのブランド物?」
「これか?
否、駅からウチ来る途中にさ、ボロいアクセ屋あんじゃん。
そこのジジイの一点モノ」
ブランドなんてそんな大層な物じゃないと言うと、今度は幾らしたのかと聞いてくる。
身を飾る事に殆ど無頓着な春だったから、何故そんなにも興味津々で聞いてくるのか不思議に思って問うと
「律に凄く似合ってて格好良いな、ってずっと思ってて…。
だから…」
自分も同じか似た物が欲しいんだと言う。
言った瞬間、伏せた目とほんのり赤らんだ顔。
あぁ、そうか。
と、気付いた。
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