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お互い下着だけを身につけて。
俺は用が終わったら早く帰れと思いながら煙草をふかし、纏わり付く背の小さな男は俺の首元にじゃれついて、今や無用の長物と化したネックレスを指先に遊ばせている。
「良いけど?別に」
どいつもこいつもコレの何が良いんだか。
この男も春も。
何の変哲もない普通のネックレスだぞ?
なのにクレクレって。
普段なら気に入ってるから駄目だと言うところだけど、どうせもう不要になるのだからと、しつこくねだる目の前の男に外して渡してやった。
その手に乗せると途端に目を輝かせるソイツ。
あー、わかんねぇ。
只のセフレに物貰ってそんなに嬉しいか?
俺がそんな事を考えている間にも嬉々として首に装着し跳ね上がらんばかりに喜ぶソイツ。
『律ってさぁ。
何気に僕の事好きだったんだねー』
否、待て。
なんだその勘違い。
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