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何を馬鹿な。
こんなアホの何処に好きになる要素があるのかと、内心首を傾げてぷかりと紫煙を燻らせる。
それから、ふあぁ、と大欠伸。
適度な運動もしたら腹減った。
そういえばさっき部屋の外で物音がしていた。
きっと春が来たのだろう。
今日の晩飯は何だろうと考えながら、でもそれまでは我慢出来なさそうだから軽く何か食える物は無かっただろうかと考える。
『わっ!僕バイトの時間だから帰らなきゃ!』
考えていると、急にそう言って慌てて着替えだしたソイツ。
そうかそうか。
それは俺と春の飯の邪魔にならなくて良いな、なんてひらひらと手を振ってやると、余程急いでいたのだろうか。
『律、ありがと。
コレ大切にするね』
服を着るのもそこそこに部屋を飛び出す刹那、振り向き様にソイツが言う。
否、大切にするも何も…ソレ。
要らん物だし。
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