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邪魔物は帰った事だしシャワーでも浴びるかと部屋を出ると、春はキッチンに立っていて。
たんたんたん、とリズミカルに包丁を動かしながら振り向いて「晩御飯、少し早いけど食べる?」と小首を傾げて聞いてくる。
あぁ、このきらきらした笑顔。
やっぱり春が一番可愛い。
それに、この絶妙なタイミングで飯とか最高じゃね?
春が部屋にいると、それだけで空気が違う。
なんだコイツ。
人間アロマか。
どんだけ俺をリラックスさせれば気が済むんだと阿呆な事を考えながら「食う」と二つ返事で了承を告げると次の瞬間、僅かに表情を曇らせた春が包丁を置き、俯いて俺の前にやって来た。
「ねぇ…律」
「ん?どーした?」
「…あのね?」
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