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「年上!?」
「だからなんでそんな事も知らないんだよ!」
水城が紹介して来たんだから、てっきり水城の友達で、しかもあのガキ臭い容姿から年下で高卒のフリーターかと思っていたら全然お門違い。
実は水城の友達の兄貴で大卒の、フリーター…は正解だったか。
「しかも3コも上だったのか…」
「いくらなんでも知らなさ過ぎ…」
要するに、自分の友達でもあるが友達の兄貴でもある春の迷惑になるかも知れない様な事はしたくないんだと未だ渋る水城。
挙げ句の果てに、話せば話す程春に対する俺の無知振りが露呈して眉間に寄せたシワはより深く、険しくなる一方だ。
けれど。
「もお…さぁ。
うん、わかった」
「あ?」
「ちょっと待って。
携帯取って来るから」
これは分が悪い。
水城の態度が急に変わったのは、俺がそんな風に思い始めた時だった。
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