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アレは彼女持ちのノンケだから手を出すな。
何なら口もきくなと般若の形相で迫られて。
確かにあの顔は好みだとは思ったけれど、別にそんなつもりで見ていた訳じゃないと何度も言って頷かされて。
今の俺は春一筋だと言ったら、逃げられた癖にどの口が戯れ事叩くのかとまた眼光鋭く睨みつけられて。
そうして人気の無いビルの裏側で、漸く水城は春に電話をかけた。
律?誰それ?
そんな風に拒否られて振られてしまえば良いんだ。
大事な春を傷付けた罰だ。
そう、俺に向かって厭な笑みを浮かべて言い放って。
「春?久し振り。
元気?」
「僕?全然元気だよ」
「春は?
てゆーか僕明日休みなんだけどさ、カラオケ行かね?」
世間話はいいから。
早く聞き出せボケ。
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