返事がある。ただの屍ではないようだ。

冒険の書を作る

まぶたの裏には、あの日の光景が鮮明に焼き付けられている。

耳をつんざく爆音は、心音にも似た、村の祭の花火の音を何倍も不快にしたものだった。

何かが焦げる臭いは、豚や牛を焼いている時のあの臭いによく似ていた。

口の中に広がる血と唾液が混ざった味は、悲鳴をあげることすら不可能にさせた。

差し伸ばしたこの腕は、あいつの手をつかむ事ができず、今日も剣を握っている。

壊れゆく命を、全ての感覚で感じていた。

形容できる言葉は、見当たらない。