第2章

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『X=3、y=4よって…。』 数学の時間もあと5分だ。時計の針が進むのがとても遅く感じる。 今日から部活だ。朝からずっとソワソワしていた。大食漢のこの僕でさえ昼ごはんがあまり喉を通らなかった。 キーンコーンカーンコーン 終了のチャイムだ。今日は担任の山田が休みのためホームルームは無しだ。 僕たち二人は少し早めにソフトボール部の部室に行った。 部室には当然まだ先輩達は来ておらず、二人は先に着替えてグランドで待つことにした。 『てか俺たち二人だけ入部しても、8人だし試合出来ないんじゃねぇの?』 北条はとても不安そうに話した。 『いやいや、まさか新入部員が俺ら二人だけってことないだろ。』 僕はスパイクのヒモを結びながら言った。 『てか遅くね?もう俺らがグランド来てから30分はたってるぜ。先輩達何してんだろ。』 確かに遅い。他のクラスももうとっくにホームルームは終わっているはずだ。 『暇だし、ちょっとキャッチボールでもしてよっか。』 僕がボールに手を伸ばした時、向こうからしゃべりながら歩いてくる6人が見えた。
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