第3章 二人の夢とは

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しかし僕が投げる球など、到底試合に使えるレベルではなく、他の部員にも口が裂けても言えなかった。 二人とも部員の中ではおとなしい性格で、表に出るタイプではなく、あまり目立たないように行動していた。周りの部員からもからみづらいと思われていたはずだ。 練習後や休みの日には必ずといっていいほど、ピッチング練習をした。 いくらやっても全然上達はみられないが。 それも当たり前か。独学でただ楽しく投げているだけなのだ。 僕は投げれば投げるほどピッチングの虜になっていった。北条もキャッチャーが楽しくて仕方ない様子だ。ただ二人共、そこまでうまいといえるレベルには達していない。 僕はファースト、北条はレフトを主に練習をしていた。少しずつ上手くなってはいるが、なかなかチームメイトとは仲良くいっている様子はなった。 しかし二人はあまり気にする様子もなく、毎日練習後にピッチングをしていた。しつこいようだが上達はない。 この頃から二人は試合でもバッテリーを組みたいと本気で考え始めていた。 楽しく練習しているだけでなく、試合で試してみたいと…。 本当にしつこいようだが到底そんなレベルではない…
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