第3章 二人の夢とは

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この後二人は順調に中学生活を送っていた。もう3年生の夏だ。あまり他の部員とからむことは少なく、1年生の時から変わらず同じように過ごしてきた。 ただ一つの事だけを除いては… 二人は2年生になってから、あの例のピッチング練習は行っていなかった。 バッテリーとしての限界に気付き、一切投げる事はしなかった。 投げたい気持ちはあったものの、2年生になり後輩もでき、いろいろ忙しくなってきた。そして何より、レギュラーの座を掴むためには自分のポジションの練習を精一杯やらなければならなかった。 そして3年生になり、北条はレフト、僕はファーストのレギュラーの座を掴む事ができた。 しかし僕は春先に足を骨折してしまい、3ヶ月練習に参加できずレギュラーを他の部員に奪われてしまった。 北条の方はというと、最後の県大会の前の日の練習で自打球が目に当たってしまい、出ることができなかった。 二人ともが何とも幕切れの悪い結果となってしまった。北条はくやしそうだったが、僕はもう燃え尽きた感があった。 そして卒業。 二人の夢…そこにはもうかすかにも残っていなかった。 そう…二人で…バッテリーで甲子園…
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