きみがため まもるため

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` シロウは……驚いた顔をして そのまま凝視。 そりゃそうだ。 女の子の前で、 女々しく 泣き始めたんだから…… 「……ご…めん……」 情けない。 「……ぁ……り…ガト…」 それだけ言うのが精一杯で 僕、バカだ。 散々皆に心配させて 気の利いたこと一ついえやしない。 「……いいえ」 ボタボタと畳に降り落ちる涙を、 白い布で受け止める白い指を 追って 見上げた僕は 柔らかく微笑み。 「……お役に立てて……光栄です」 初めて少女らしく 「……アナタを……」 無垢に笑ってくれた。 「死なせたくなかったから……」 みんな―― ―ありがとうございます。― 「ぁ……りがと…」 僕は、頭を下げた。 僕を……見捨てないで 守ってくれた人がこんなに居るんだ。 僕の背中に、 そっと 馴染みのあるぬくもりが 上から下に 与えられる。 大丈夫…… 強くなろう。 顔を上げ、そっと巡らすと 僕の背を黙ってなでる。 サトウさんがいた。 「ありがとう……」 サトウさんは微笑み、背中からぬくもりが消える。 シロウを見つめ僕は……笑いかけた。「ありがとう……」 シロウは目を見張ると……目線を下げ、ほんの少し頬を染めた。 シノノメ様に向き直り 「ありがとうございます」 そんなツバメを見つめ、満足げに頷くシノノメ。 イサ様に向き直り 「ありがとうございます」 ようやく安堵した。 ホッとしたような表情を見せた。 僕は笑いかける。 白い布で顔を覆った女性に向き直り 「ありがとうございます」 「……私にもか?」 苦笑しながら僕に声をかけた。 だから、 「今、此処にいらっしゃるっと言うことは……浅からず僕に関係があるのでしょう?」 目を見張り……数秒。 「――アッ!ハハハッ!!」 腹を抱え、女性らしからぬ豪快な笑い声に。 室内は包まれる。 「トーコ。笑いすぎだ。 どこに笑う要素があった」 くっくっッ―笑う女性をシノノメ様が声をかける。 「いっ。ヤ……失礼…… びっくりしたわ」 くっく笑い…… 「意味合いが違うのに その物言いが、 カオルに似てて」 ポロッとでた言葉に 一人を除いて、固まる。 ようやく笑いを止め、僕を見る。 皆、 トーコと呼ばれる女性を見つめ、話し出すのを……。 `
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