きみがため まもるため

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` ひかる棒を 血にまみれた包みに向けて 「コレがカオルの【ほうぐ】だ ……おそらく」 そう、言い放った。 おそらく? 固まったまま 包みを見つめる僕に。 「ぁー。ツバメ。さっさと開けてみろ 慎重にな」 そうトーコ様から促される。 恐る恐る 両の指で結び目を摘む と 「あ……」 指がふれた布の感触に 意識せず 目を閉じた。 そっと両手で包みを握る。 ぼこりぼこりとうねる布面。 ざらりっとしながらも 涼しく つめたい感触……。 なのに 「……なつかしい」 満たされる感覚に 目を開け両手の中のソレを包み込む僕。 無言で見つめるトーコ様から促され 指先に力を込めると 固い結び目をグッと開いた。 「……えっ?。コレって」 中身に戸惑いながら トーコ様を見る僕を。 トーコ様は 「……なるほどねぇ。」 と、つぶやき 「ツバメ。手にとってごらん」 「あ。はい」 僕は 一枚つまみ上げた。 紙。 何の変哲もない硬い紙の束。 カードとよべばいいのだろうか? 僕の手のひらより若干長い。 薄く 軽い まじまじと見る先は 細かい絵柄があった。 光の色の長い髪の女性の横顔。 びっしりと書き綴られた手書きの文字。 「……綺麗」 僕は無意識に、こぼした感嘆のため息に混じるように……。 耳元を ささやかれるような……。 微かな こそばゆさに気付いた。 気になり 視線をさまよわせた僕に 「どうした。他を確認してごらん」 「あ。……はい」 奇妙な感覚を置き去りに、他の紙の束を手にとった。 「……で?」 「全部で……三十八枚です」 「……間違いないね?」 「あ。はいもう一度数えましょうか?」 「いや。いい。……わかったから」 トーコ様はそうつぶやき…… 数秒後。 「今からコレは、ツバメの物だ。 肌身はなさず持っていけ」 「え?。あ……えっ!」 トーコ様の突然の発言に面食らった僕は当然慌てる。 先程から聞いていた話の詳細を、僕なりに理解しているから、トーコ様のこの申し出に異議を唱えるのは差し出がましいけど 「これは……【ほうぐ】なんですよね?」 確認しないと 「そうだ。【里】に存在している【ほうぐ】の中でも…… 高位のモノだ」 .
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