きみがため まもるため

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` 「そうらしいな……」 ぼそりと トーコ様が打ち出した言葉と共に。 四方からの視線が 僕の言葉に 引き寄せられるのを感じた。 「朧気にも姿形の覚えがなかったから…… 本当は かあさんと姉さんは 居なかったんじゃないかって 二人を想いながらも 祈りながらも 写真さえ直視出来ないでいました だって みるたび 何度も思うんです」 両手でカードを強く握り締め 「何で 僕は此処に 置いて逝かれたのだろうって」 「ツバメ君……」 サトウさんの声が聞こえた。 「……ごめんなさい。 サトウさん。 突然こんな話して 実は僕、ずっと聞きたかった。 何故だろう?って ずっと ずっと そればかり…… でも、サトウさんを困らしたくなかったから 何時しか 仕方がなかったのかもしれないって…… そう思うことにしたんです。……昨日までは」 ツバメの目が トーコを見つめる。 「……なにを聞きたい」 「かあさんと姉さんは 何故……死んだのですか?」 シノノメ様も イサ様も コウヤさんも シロウも サトウさんも 僕達を見つめていた 「……気になるか」 「今朝から今までの間に たくさんの事に気づかされました 僕は 愛されていた まもり、まもられていたんだ」 トーコ様が見つめる中 僕は 思い切って告げた 「……思い出したんです」 「……なに?」 「かあさんと姉さんの事」 「!……いつ」 ギンッとした目線にたじろぎつつ 「!ッ……僕が毒で倒れたときで」 「なにを思い出した!!」 突然のトーコ様の豹変ぶりに僕は。 「い……いろいろです。……かあさんも姉さんもやさしいひとでした。 あったかくて、頭を撫でてくれました」 「他は」 「……何故か目はいつも開かないようにとじられていました。 だから二人の顔はずっと見てません ただ居たところは静かな所で 人が 他にいたようです あとは ……かあさんはうたを」 僕は眉をひそめ フッと頭をよぎった ソレを口にした。 「若い男の人が…… だれかいました」 .
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