島原

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心も沖田の隣で、再び竹刀を振り始める。 不意に、互いを想いあっている佐々木とあぐりが浮かんだ。 大切で、愛しくて――そんな気持ちに包まれていた二人。 どうか、 気付かないでほしい――。 腕に力が入り過ぎている事、 今にも溢れ出てきそうな涙を堪えている事――。 心は、解らなかった違和感の意味、解らないようにしていた気持ちから、目を反らす事が出来なくなった。 (私は…… ……総司が) 空は白み始め、透き通る光りを降り注ぎ、一日の始まりを告げる――。
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