誘惑

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佐伯はソファーに座り、俺が出した烏龍茶を飲む。 こんなにモテそうな顔してるのに、そうそう上手くはいかないものだなと思った。 俺は女を抱くとき何も考えないし、正直愛がなくたって抱ける。 でも佐伯は純粋なだけに、そういったところに体も敏感なのだろう。 何だか可哀想に見えた。 「…他の女と試したりした?」 俺は彼の横に腰を下ろすと、空になったコップに烏龍茶を注いだ。 佐伯は、またそれを煽った。 「出来ませんよ。そんなこと」 真面目な彼には、無理な話だった。 「んじゃお前、溜めっぱなし?」 俺はちらっと彼の下半身に目をやった。 最近まで女がいたのなら、それなりに辛いだろう。 「はは。自分でも限界ありますからね…でも」 佐伯は、心配そうに見上げる俺を見た。 .
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