18人が本棚に入れています
本棚に追加
｢いや…平、気…｣
こんなに激しく求められたのは初めてなので、ここまで息を切らしたことはない。
情けないことに、腰砕けに近い状態になっている。
佐伯は、不安げな目で千晴の頭に視線を落とす。
｢気持ち良く…なかったですか？｣
俺が胸を押した理由を探していたのだろう。
あまりにも見当違いの問いかけに、俺は苦笑して顔を上げた。
｢まさか。その逆。……凄い良かった｣
ニコッと微笑むと、佐伯は力が抜けたのか、俺の肩に顔を乗せた。
｢さ、佐伯？どーした？……わぁっ｣
俺は彼の頭に手を置くと、そのまま背中に手を回され抱き締められた。
｢佐伯？なになに…いきなり｣
俺は急に近く感じた佐伯の体温に、ドキドキしていた。
佐伯は俯いたままだ。
.
最初のコメントを投稿しよう！