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始業式。
今日から2年だ。
あいつに会えるかな……
俺は2ーCかぁ。
「未央!また一緒だな!」
「またお前とかよぉ。」
「騒がしくなるぜぃ。」
「嬉しくないのかよぉ!」
「まぁ、いないよりは」
「マシだよな。」
教室の片隅に1人で
読書をしてる人をはっけん。
見たことあるよーな
気がする。
まさか
風音 爽?
「あのぉ……」
「何ですか?」
「名前、聞いていい?」
「風音 爽ですけど。」
「やっぱり!」
「俺!俺だよ!」
「え?」
「桜川 未央!」
「春休みに学校の前で」
「会ったじゃん。」
「あぁ。あの時の……」
「同じクラスだなんて」
「奇遇だな。」
「そう……ですね。」
「未央!」
「あれ?知り合い?」
「春休みに一回だけ」
「会った事があってさ。」
「奇遇だなぁって。」
「そうなんだぁ。」
「あれ?いないけど。」
「は?」
「ほら……」
春休みに会った時と
雰囲気が全然、違う。
同じやつじゃないみたい。
冷たい雰囲気。
春休みの時は
桜みたいなやつだったのに。
でも
あの表情はかわってない。
あの瞳の色だけは……
ってか、
まるで俺があいつを
好きみたいじゃねぇか。
まぁ
不思議なやつだとは思うけど……
気になってはいるけど……
好きな訳じゃない
キーンコーン
カーンコーン
あっ帰って来た。
2ーCのメンバーは
そこまで苦手じゃない。
仲がいいやつもいるし。
ただ……
風音がいる。
春休みの時は
明るいやつだと思ってたけど
かなり違った。
少し暗くて冷たい。
少し……じゃないか。
あの笑顔が見たい……
「あぁ……」
「桜川。」
「どうかしたか?」
「いや、別に。」
「なら良いが。」
クスクスっ
笑い声が聞こえる。
最初からやっちゃったな。
この原因とも言える
風音は……
興味がないよーで
外の景色を見ている。
やっぱやらかしたな。
長い校長の話を聞いて
始業式は終わった。
教室に戻ると
各々が好きな席に着く。
風音は一番後ろの窓側。
俺は机を1つ挟んだ右隣の席
俺の隣に
さっき話してた純杜が座った。
(純杜は俺に真っ先に)
(話しかけてきたやつ。)
俺の席からは風音の顔が見える。
相変わらず読書をしてる
風音さん。
春休みの時の面影は0。
こんなに違うものだろうか。
そんな疑問を抱きながら
家に帰った。
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