逃走劇の始まり

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無実の罪に捕らわれた僕 なんでだろうね 顔が似てるだけで、 その時の状況次第で、 こんなにも人生狂うんだ。 僕は母親を刺して 町中に毒薬を撒き散らしたらしい もちろん身に覚えなんてない 心辺りがあるとしたらきっと …信じたくないが僕にそっくりな「あの人」 唯一信じていた存在。 「あの人」は今、どこに居るんだろうか 重い罪の十字架から解放されて 僕に感謝しているのだろうか… 僕は「あの人」のキリストじゃない 人の罪の十字架を背負う程 お人好しじゃないんだ。 でも結局 死刑判決からは逃れられない。 僕に逃れられる程の力はない。 明日で僕は…この世界から消える。 今日は…最後の外出の日 警護付きだけど 最期にこの醜い世界を この目に焼き付けて死のう。 生まれかわった時は… もうこの世界に生まれてこないように。 だけど この「最後の外出」が 僕の人生を 大きく変えることになる。
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