逃走劇の始まり

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『で、どうやって出るのかな?』 「ジーンさ、さっきまで逃げても無駄とか言ってなかったっけ?」 『確かにね。でもこれが幻覚だとしても気になるじゃない。それに助けてくれるんじゃなかったのかい?』 「まぁ…助けるけど」 『さぁ、どうやって抜け出すのか…ッ!』 突然頭痛がした 目の前がまっ白になり 僕はコーリスの胸に倒れこみ そのまま意識を手放した。 「さてと、逃走劇の始まりだよ。俺の主さん」 そして僕が目が覚めたのは 夜中のベッド 見知らね場所に居た。 きっと彼の新しい住処だろう さすがに実家には帰れない。 『…ッ』 頭痛がひどい。 顔も少し暑い気がする。 僕は暑さを紛らわせるために 冷たい水で顔を洗おうと 洗面所へ向かった 向かったのはいいが… いつもより洗面台が高い気がする。 いや、ここの洗面所が特別 高いだけだろうと そこまで気にはせず その辺のイスを使い、顔を洗った。 タオルで顔を拭いて鏡を見た時 いつもより洗面台が 高く感じる理由がわかった。 『僕…子供になってる』
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