逃走劇の始まり

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翌日、目覚めは最悪だった。 『コーリス…重いよ。なんで人間に戻ってるんだい…』 「あぁ。ごめん」 そう言って僕の横に座る 『目が覚めたら聞こうと思ってたんだけど…君は一体何者なのかな?』 「…喋らなきゃだめ?」 『喋ってくれないと君を嫌いになる』 嫌いになる。と言うと 少し頬を膨らませて 【仕方ない】というような顔をした 「俺はネコ人間。何故ネコ人間になったのか理由はわからないけど…」 『そうかい…て事は君と僕は同じってことだ』 「そーゆー事になるな。」 ネコ人間。本当に居たんだね この世界は何が起きるか わからないものだね。 『で、これから僕らはどうするか考えてるの?今はここに居座ってるけど追い出されるのも時間の問題なんじゃない?』 「あぁ…まずは仕事見つけないとな」 『仕事って…こんな姿で受け入れてくれる仕事場なんてあると思ってるのかい?』 「それは考えてある」 『その考えとやらを教えてもらおうか』 「サーカス」 『…は?』 「だから、サーカス。」 サーカス?あの綱渡りとか 空中ブランコとか パフォーマンスをするアレか? それこそ技術が必要だし 子供の姿の僕なんか雇ってくれる訳がない。 「子供と動物ばかりが集まるサーカス団だよ。そこで金は稼げる」 『僕は無理だよ。人とは関わりたくないし…見られたくない。』 「ジーンさ、昔は日本の空手とやらとか…バレエとかアクロバット得意だったじゃない」 『そうだけど…』 「僕がジーンを守るから。」 『…頼もしいネコ人間ね。』 「今日の夕方から、サーカス団に申し込み行こう。僕は動物の姿で入る事になるけど…一人よりはマシだからね。」 『…ありがとう』
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