日本

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同時刻「日本」 一人の男子学生は いつものように朝から新聞を読む。 学生はあるひとつの記事に目がとまった。 【イギリスの無差別毒殺事件の容疑者ジーン・アマルタが死刑直前に逃走 昨日、イギリスの警察は警護付きで最後の外出を認めたが、容疑者はトイレに行っている間に居なくなっていたらしい。だがそのトイレには逃げられるような場所はなく どのようにして逃走したかは不明である。】 最後の外出ね…普通は認めないだろ。 無差別毒殺…死刑囚脱出… 興味深いな。 新聞を読みながら口角を上げている 彼の名前は【霧島純一】 メガネをかけており、中性的顔をしていて、栗色のクセのついた髪が特徴である。 「さてと…学校に遅れちゃうな。」 沢山の教科書が入ったバッグを持ち 学校へ向かう。 ほんと…だるいな。 僕は勉強はそこそこ出来る方で 学校では常に退屈している 授業もつまらない。 友達は居るが、これといって 話すこともない。 「…俺、寂しい人間みたいじゃん。」 そう言いながら 学校への道のりを歩いていた。 すると、後ろから声をかけられる。 「純一ちゃ~ん♪おはよ!」 「…はよ」 こいつは俺の幼なじみの【川島晋也】 家も近いし…アレだ。腐れ縁だ。 「朝から暗いなぁ!…き…今日は快晴なんだから明るく行こうぜっ!」 俺は空を見てみる。 …真っ白な雲が空一面にかかっていている。 とても快晴とは言い難い 「これのどこが快晴なんだよ。落ちてるものでも食った?」 「もうっ。純一ちゃんったらっ!」 「オカマみたいな喋っり方すんなよキモイ。」 「ところでさ!純一ちゃんはサーカスとか興味ある?」 「スルーすんなよ…サーカス?」 「おう!イギリスの多才な子供とか動物が集まってるサーカス団なんだって!そこの子供らは大人顔負けのパフォーマンスするんだってさ!良かったら見に行ってみねぇか!?」 イギリス…ね。 不意に今朝の新聞の記事を 思い出した。 「興味は…あるかな。」 「マジ!?じゃあ決定だ!開催予定日は再来月の8月12日の午後6時からだから!チケットは俺がとっとくから!」 「…あぁ。」 今朝の記事が忘れられない。 サーカスと記事の共通点なんて 【イギリス】しかないのにね。 でも…大人顔負けのパフォーマンスが見られるなら行ってもいいかな…。
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