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会社まであと10分。
大きな交差点で信号待ちをしていると
――――ワンッ
どこかで犬が吠えた。
でも周りを見回しても犬なんていない。
不思議に思いながら、また前を向くと
――――ワンッ
道路を挟んだ向こう側に黒い大型犬がいた。
そしてその隣には、犬と同じく黒一色の格好をした子供がいた。
「お兄さん」
子供が口を開いた。
「25時には気をつけて」
その時、前の道路には車も多く、周りに人もたくさんいた。
それなのに
何故か、この空間には俺と子供と黒い犬だけになったみたいに、声がはっきりと聞こえた。
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