4人が本棚に入れています
本棚に追加
勇者:いやあ、鍋はいいよね。
魔王:な、なあ。
勇者:ん?何?
魔王:なんで魔王の俺と勇者のお前がいっしょに鍋をするの?
勇者:いいじゃない。たまには。
魔王:よくないだろう。敵対関係だぞ。
勇者:まあ、これから長い付き合いになるわけだし。
魔王:う、うーん。そういうもんか?
勇者:じゃあ、鍋の準備しようぜ。
魔王:う、うん。土鍋は?
勇者:家から持って来たよ。ホラ。…ゲ!底に焦げたスライムがこびり付いてる!
魔王:普段、どんな鍋料理食ってるんだよ!
勇者:汚れを落とさなきゃなあ。…岩をも噛み砕く歯、鉄をも切り裂く爪…ひょっとして魔王の陰毛って硬いんじゃないの?
魔王:待て!何、俺の陰毛を金タワシ代わりにしようと考えてるんだよ!
勇者:しょうがない。持ってきた金タワシを使おう。
魔王:持ってんのかよ!じゃあなんで、最悪な選択肢を検討したんだよ!?
勇者:鍋の水は良いものを使わなきゃね。
魔王:やっぱ、味が違ってくるのか?
勇者:「命の水」!イベントで1つしか手に入らない貴重な水。これで鍋をすりゃあうまいぞ!
魔王:もったいねーよ!それ使ってこれからのイベントに差支えねーのか!?
勇者:これで、王女様はもう帰らぬ人に…。(トクトクトク)
魔王:やべえって!鍋ごときに、人の命を犠牲にすんなよ!ストーリー進まなくなるぞ!
勇者:さあて、火をつけなきゃね。
魔王:おう、俺に任しとけよ。火を吐けるから。
勇者:いいよいいよ。俺、火の魔法使えるし。
魔王:いや、俺がやっから。
勇者:いいって。俺がやるって!
魔王:だって、魔法はMP使うだろ?俺、なんにも消費しないし。タダで火を吐けるし。
勇者:いや!ここは俺に任してくれ!火加減は重要なんだよ!
魔王:まあ、そこまで言うなら。
勇者:いくぞー!火の魔法「ファイアー」(ボワッ!)
魔王:アチチ!!俺に魔法をかけるな!!
勇者:いや、違うんだよ。
魔王:何がだよ!
勇者:こう、コマンドで魔法を選択するだろ?
魔王:おう。
勇者:ファイアーを選択。で、「誰に?」って出てきてときに鍋をターゲットに出来ないんだよ。だから、こうやって魔王ってところを選択すると。
魔王:アチチ!!いちいち俺を選択するなよ!
勇者:すまん。火を吐いてくれ。
魔王:最初っからそうすりゃあ良かったんだよ。(ブオー!)
最初のコメントを投稿しよう!