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勇者:いやあ、鍋はいいよね。 魔王:な、なあ。 勇者:ん?何? 魔王:なんで魔王の俺と勇者のお前がいっしょに鍋をするの? 勇者:いいじゃない。たまには。 魔王:よくないだろう。敵対関係だぞ。 勇者:まあ、これから長い付き合いになるわけだし。 魔王:う、うーん。そういうもんか? 勇者:じゃあ、鍋の準備しようぜ。 魔王:う、うん。土鍋は? 勇者:家から持って来たよ。ホラ。…ゲ!底に焦げたスライムがこびり付いてる! 魔王:普段、どんな鍋料理食ってるんだよ! 勇者:汚れを落とさなきゃなあ。…岩をも噛み砕く歯、鉄をも切り裂く爪…ひょっとして魔王の陰毛って硬いんじゃないの? 魔王:待て!何、俺の陰毛を金タワシ代わりにしようと考えてるんだよ! 勇者:しょうがない。持ってきた金タワシを使おう。 魔王:持ってんのかよ!じゃあなんで、最悪な選択肢を検討したんだよ!? 勇者:鍋の水は良いものを使わなきゃね。 魔王:やっぱ、味が違ってくるのか? 勇者:「命の水」!イベントで1つしか手に入らない貴重な水。これで鍋をすりゃあうまいぞ! 魔王:もったいねーよ!それ使ってこれからのイベントに差支えねーのか!? 勇者:これで、王女様はもう帰らぬ人に…。(トクトクトク) 魔王:やべえって!鍋ごときに、人の命を犠牲にすんなよ!ストーリー進まなくなるぞ! 勇者:さあて、火をつけなきゃね。 魔王:おう、俺に任しとけよ。火を吐けるから。 勇者:いいよいいよ。俺、火の魔法使えるし。 魔王:いや、俺がやっから。 勇者:いいって。俺がやるって! 魔王:だって、魔法はMP使うだろ?俺、なんにも消費しないし。タダで火を吐けるし。 勇者:いや!ここは俺に任してくれ!火加減は重要なんだよ! 魔王:まあ、そこまで言うなら。 勇者:いくぞー!火の魔法「ファイアー」(ボワッ!) 魔王:アチチ!!俺に魔法をかけるな!! 勇者:いや、違うんだよ。 魔王:何がだよ! 勇者:こう、コマンドで魔法を選択するだろ? 魔王:おう。 勇者:ファイアーを選択。で、「誰に?」って出てきてときに鍋をターゲットに出来ないんだよ。だから、こうやって魔王ってところを選択すると。 魔王:アチチ!!いちいち俺を選択するなよ! 勇者:すまん。火を吐いてくれ。 魔王:最初っからそうすりゃあ良かったんだよ。(ブオー!)
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