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勇者:待てぇッ!!お前は、精神科医ですらないのかッ!?
医者:ええ。
勇者:てめ、歯医者が心の病に口を出してんじゃねえよ!!
で、挙句の果てに世界を滅ぼしてみようって、なんだ!?
医者:まあまあ、そこは、専門家でない人間が出した答えですから。しょうがない部分もありますよ。
勇者:そんな薄っぺらい理由で、責任逃れ出来るとでも思ってるのか!?
何でお前が、心の病を治療すんだよ!!
医者:あれは、半年ほど前でしょうか。私の病院に……彼が、島田さんが通院してきたんですよ。
勇者:この魔王。島田っていうのか……。うーん、なんかなあ……。
医者:ええ。そして、歯の治療の最中に、2人で雑談してたんですね。
勇者:ああ、うん。……え!?ち、治療中に!?
口、アーって開けて、あんた、機械でウィーンってやってる状態でどうやって雑談したんだよ!?
医者:で、島田さんと悩みの相談みたいな感じになってですね、島田さんが
「あああ、ああっあ~あ、ああああんあああ」
っていうもんですから、
勇者:やっぱり喋れてないじゃないかよッ!!なんて言ったかわかんねえだろッ!!
医者:いや、「僕って、個性がないっていうか、面白みのない人間なんですよね」
って島田さんが言ったわけですよ。
勇者:なんで、分かるんだよッ!!
医者:歯医者をやってたら、誰でも身につく特技なんですよ。
勇者:ホントかよッ!?
医者:そう島田さんが言うから。私もね
「あああ、あ~あんああああ~」
って答えたわけですよ。
勇者:なんでお前まで「ああああ」って喋るんだよッ!!お前は、普通に喋れるだろッ!!
しかも、お前は理解出来ても、島田さんは、「ああああ」で言われても理解出来ないだろ!!
医者:いや、歯医者に通ってたら、誰でも身につく特技なんですよね。
勇者:そんな話、聞いたことねえよ!!っていうか、お前はなんて言ったんだよ!?
医者:ああ、「私に、いい考えがあります!」って言ったんですよ。そしたら島田さんが
「あああ!あああ!ああああああああッ!」
勇者:だから、「ああああ」じゃ分からないんだよッ!!
医者:「痛い!痛い!歯茎から血が出てません!?」
勇者:ちゃんと集中して、歯を治療しろよ!!失敗してんじゃねえか!!
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