#1 弟の決意

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 老け顔が言った。 「子供じゃ、採用出来ない。悪いが他を当たってもらえないか?それで、金が用意出来たらドレスでも授けてやろう」  少年は黙った。大人しくした所で、面長は男児の全身をボールを扱うように店外へ放り投げた。  通行量が無いに等しい公道に、運悪くも二台のマイティリコナービークルが、結婚関連店舗前を暴走してきたのだった。  ビークルコントロールのコテで、巧妙なテクニックが優れている為に、飛び出した子供の影を撥ねることなかった。  ビークルシートの遊び部分に、小さな身体を着地させたから、無傷で済んだ。生命に別状はなかった。  少年は気を失っていたのだった。  MRVドライバーの一人が啖呵切って店員を呼び出した。 「おいっ、そこの店員こっちまで来てくれ」  酷い絶叫だからなのか、面長の方は言われるがまま、若いドライバーの所に接近した。 「あんたなのか?小僧を車道に押しとばしたのは」 「あの、申し訳ございませんが、仰っている事の内容がご理解致しかねます」 「しらを切るたぁ、いい根性してるな」言いつつ襟首を掴みながら「ええ!!」と絶叫しだした。 「く、苦しい~。は、はな、放しなさい」  悶える面長。そのドライバーは、疲れたのか知らないが、一旦襟元から手を放した。 「ふう……キツく締め出すなんて乱暴な」 「子供を放り投げたヤツがよく言う。さあ、何があったか詳しく吐きな」  機転よく聞き込み調査してみた。  面長は素知らぬ顔で、善良ぶった態度で応答してみた。
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