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家に帰ると、深夜までミシンは動いていた
テディベアや、トートバッグ、室内シューズ
休みの日はルームウエアやパジャマまで作ってた
『ママ、いつ寝てるの?』と未来に聞かれるほど仕事に没頭していた
ある日曜日、未来にこう言われた
『ママ、タカシの玉子サンドが食べたい』
『久しぶりにいこうか?』
『うん!それからおもちゃ屋さん行こう!今日は未来の誕生日だよ』
…!しまった!
仕事仕事でこの子のお誕生日忘れてた
私は未来に謝ると、先にケーキ屋さんにより、ケーキを注文した
そしてタカシの店で昼食をとった
『タカシ!ママね、未来の誕生日忘れてたんだよ』
『なんだなんだ。俺なんてプレゼント買ってんのに』とタカシは笑った
『やった!未来はもう4歳だよ。ろうそく4本なんだから』
『今日はお家でバースデーパーティーだね。何食べたい?』
『手巻き寿司。タカシもきて手巻き寿司しよう。ケーキもあるんだよ』
『そうだね、そうしようか。タカシこれる?』
『任せとけ。プレゼントは家で渡すからな』
未来の喜ぶ顔が、一番幸せだ
そんな未来の誕生日忘れるなんて母親失格
私は少しへこんでしまった
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