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未来の誕生日イコール浩二さんの命日だ。帰る前に二人でお墓にお参りに行った
そして買い物をして、ケーキをとりにいく
未来も手伝って手巻き寿司の支度は整う
『タカシおそいな~お店忙しいのかな~』未来はぶつぶつと文句を言ってる
私はハッとした
あの時もそうだった
浩二さんがとても遅くて私達はこうやって待っていたのだ
胸が締め付けられる
早くきて!
私はぽろぽろと涙が零れた
『ママ!ピンポンなってるよ?』
私は慌ててドアを開けた
『遅くなってごめんな終わり際に客が来たもんだから…どうしたナツ泣いてるのか?』
タカシにはすぐ泣いてる意味がわかったようだ
『馬鹿だな…俺は生きてるよ…本物のタカシだ』
『そうだね、よかった…もう用意できてるよ』
『未来、美味しそうだな。どれ、今日は未来に作ってもらおうかな?』
『まかせて!すごく上手なのよ、未来!』
未来は器用にクルクルと寿司を巻いていく
『どんどん巻いてくれよ。俺は腹ぺこなんだからな』とタカシは追い立てる
私は涙を拭きながら玉子焼きを作っていた
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