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そして、1週間後。
此所は魔界の第四天魔城の庭。
1人の幼女が、1匹のポメラニアンの見た目をした全長2メートルはある白い毛並みの犬と遊んでいる。
「ジョセファンヌ=キセメリア=デス五郎ザエモン三十四世、おすわり!!」
「ワンッ!」
時刻は朝の9時少し前。
天気は晴れ青々とした空には、濁りを伺えさせない白い雲が浮かんでいた。
良い天気だからでは無く、その幼女は3時間も前から五郎ザエモン三十四世と遊んでいるのには、理由がある。
「ミレア。今日は、人間の進級試験結果発表の日なんだよね?」
今日は暇を持て余した三男グレンは、我が家である城の壁に寄り掛かりながらミレシェルアに聞く。
そう。朝の6時から五郎ザエモン三十四世と遊んでいた理由はコレだ。
カリアの受けた進級試験の結果が、今日発表されるが故。
結果が気になって、落ち着いて居られなかったのだろう。
「うむ! 結果発表される次第、儂を呼ぶと言っておったぞ?
まあ、心配はいらないと思うのじゃがな」
犬の毛をモフモフ味わいながら、グレンの問いに答える。
その声色からして、カリアが合格する事を本当に信じているのだろう。
動揺や焦りが感じられない、明るく元気な声であった。
「うぬ!? 丁度、カリア殿が呼んできたのぅ」
「今回は、僕も着いて行くなんて言わないよ。……しっかりとお祝いして楽しんでくるんだよ?」
元気な妹に、優しい微笑みを浮かべるグレン。
ミレシェルアはそれに頷き、左手の甲に描かれた契約の証に魔力を注いだ。
「行ってくるのじゃ!」
最後にそう言い。白髪幼女は足元に魔法陣を残して、その場から姿を消す。
カリアの合格を、本人から直接聞く為。
人間界へと召還されたのだった。
~魔王の娘になった【お爺ちゃん】!!~
【完結】
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