出会いそして始まり

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――季節は夏が始まり、その真っ只中。 最近は、地球温暖化と騒がれ、この時期でもかなり暑い。 熱気に溢れた道を自動車が通過している。 外を歩く人たちもみな薄手の服を着ていて、額からは汗を流している。 そんな中、下は七分丈のデニムを、上は半そでという、いかにも夏を象徴するかのような服装の少年が、歩道を自転車で通過していた。 年齢は、中学生くらいだろうか? まだ幼さが見てとれる。 今は、坂を上っているため、額や腕からかなりの汗を流していた。 近くにいれば、息遣いが聞こえてきそうな様子で自転車をこいでいる。 ようやく坂を上り終えると、少し休憩し、息を整える。 そしてまた自転車をこぎ始めた。 この少年はどこを目指しているのだろうか? そして、ようやく目的の場所に到達したらしい。 少年が自転車を止めたのは、川原の上にある土手の道脇。 少年は誰かを待っているのか。 一人でにつぶやいた。 「まだ来てないみたいだな」 そういうと少年は川原を見つめた。 この川原は中流にあたる部分で、川幅は大体100m以上はあるだろうか? 流れはそれほど急でもない。 静かに流れている。 少年はまだ待ち人が来ないのを確認すると、土手の端に腰を下ろした。
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