プロローグ6

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オースター孤児院のテラスにあるテーブル席に、リンダはいた。 コーヒーを運んでくれた娘を手で追い払い、頬杖をついて、対面に座る大男に眼をやる。 太く逞しい手足。 しなやかさを失うことなく、鋼のように鍛え上げられた肉体。 初老の域に差し掛かりつつあるはずだが、衰えは感じられなかった。 むしろ、若かりし頃よりも、一回り体が大きくなったのではないか。 ただし、頭髪の半分ほどは白くなっていた。 髭は、理由がない限りは三日に一度だけ剃る。 それが、この男の昔からの習慣だった。 無精髭の長さからして、今日は二日目か。 髭にも白いものが見えて、リンダはにやりとした。 「なんだかんだ言って、あんたも随分老けたねえ、ストラーム」 男、ストラームは、カップから口を離し苦笑した。
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