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萩原は、忍達が打九萬に肝を冷やしたのを背中で感じ、少し笑みを浮かべた。
(フフフ…。当たらないさ…。まだ当たらない…。こんなクソ手の状態から出る牌が当たる…。平田がそんな流れなら、逆にありがたい…。俺の牌が当たとしたら…、もっとテンパイ間際だろうな。手がまとまった頃に溢れる牌が当たる…。張る為に切らなきゃならない牌…。張る為に溢れざるを得ない牌が平田のロン牌。そんなムナクソ悪い流れが今の俺…。だから、まだ当たらない…!)
2巡後、萩原ツモ―六筒。
そして、打二萬。
萩原はさらに次巡に中をツモ。
五萬切りで中、ドラ1の五―八索待ち。
しかし、ここで今まで一切、臆せず牌を切ってきた萩原の手が止まった。
余り牌かつ当たり牌―五萬を切れずにいた。
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