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萩原は釘宮に、適当に挨拶し電話を切ると、忍を出迎えに向かった。
彼が玄関で靴を履いていると、恵が声をかけてきた。
「見慣れない車が来てるよね、龍君…?」
萩原は小さなため息をついた。
「見慣れた奴を乗せてな。」
「…え?」
「とにかく…、話をつけてくるよ。恵さんはリビングにいていい。」
そう言うと、彼は玄関を出た。
彼が出て来ると、忍はにこやかに手を振った。
「久しぶり、龍ちゃん。」
萩原は苦笑しながら、彼女に歩み寄った。
「その呼び方、気持ち悪いぜ。」
忍はニヤリとした。
「相変わらず生意気ね、萩原。元気そうで、なによりよ。」
「…あれから1ヶ月経たないくらいか…。何か用なの…?」
「フフ、アンタをぶつけたい奴がいてね…。」
すると、萩原は彼女に背を向け、家に戻り出した。
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