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「ちょっと、萩原ァ!?」
「確かに、たまには卓にあがってもいいとは言った。だけどよ、1ヶ月も経たねぇうちに依頼に来るかね。俺は中田組に囲まれた代打ちじゃないんだぜ。今回はゴメンだ。」
彼は忍に背を向けたままそう言うと、玄関のドアを開けた。
「お願いよ、萩原! あたし悔しいのよ! 敵の打ち手にはもう5000もやられた…! それ以上にあたしに勝つ度に、奴が勝ち誇った振る舞いをする事がムカつくの…! あいつの鼻っ柱を折ってやりたい…! 損得勘定じゃない…。……勝ちたいの…!」
すると、玄関の中に入ろうとしている萩原の動きが止まった。
「…ふーん…。よっぽど悔しかったんだろうなぁ…。」
そう呟くと、彼は彼女の方に向き直った。
「…久々にあなたの『声』を聞いた。」
萩原は小さく笑った。
「フフ…。んまぁ…、話くらいは聞いてもいいか…。…中へどうぞ。」
萩原は忍を家に招き入れた。
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