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「実はね」
ちょこんと僕の肩に座った(首から上しかない彼女に座る、と言う言葉を使うのもどうかしてるけど)彼女は、少し意地悪な笑みを浮かべた。
「実は私、なんとなくパーツの場所が分かっちゃうのよ」
耳元に彼女の吐息がかかる瞬間、嫌な汗が体中から溢れてきた。
彼女の視線は戸棚の一番下。
鍵をかけてるあの扉から全く動かない。
「……」
早く帰りたい、それが彼女の口癖だった。
散らばってしまった体もほとんど集まり、残るは心臓ただ一つ。
僕が彼女と出会う前に偶然拾い、ずっと隠していた心臓だけ。
「……」
それで彼女は行ってしまう。
あのパーツが揃ったら、きっと。
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