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「そうだね。僕も学生の頃たくさん失敗して、色々学んだからね。そういうことを経験するのも大事だよ。」
劉教授は腕組みをして、頷いていた。そんな二人の会話を聞いていた椿姫先輩は上を向いて言った。
「私はそういう経験無いな・・・。あまりそういう事は言われなかったな。」
「椿姫先輩は無いんですか?そういう経験。」
そう言うと、劉教授は椿姫先輩を見ながら言った。
「椿姫さんのレポートは、分かりやすくまとめられてて、読みやすいからね。しっかり要点を抑えてるからね。」
「確かに花咲のレポートは読み安かっな。俺も何度か読んだけど。俺もあれぐらいうまくなりたいよ。」
劉教授と洋一先輩は、二人で頷いていた。俺は洋一先輩と劉教授の顔を見た。
「椿姫先輩のレポートってそんなに読みやすいんですか?一度読んでみたいです。」
「そんなことないよ~。私のレポートなんて上手くなんてないよ。」
椿姫先輩は恥ずかしそうに顔を赤くしながら、俯いた。俺は先輩の顔を見て言った。
「また機会が有ったら見せてください。参考にしたいので。」
「んー・・・。本当はあんまり見せたくないけど、吉田君に言われたら仕方ないな。また持ってくるよ。」
椿姫先輩は優しく微笑んでくれた。そんなやりとりを見ていた洋一先輩がチャチャを入れてきた。
「二人ともアツアツだね~。端から見たらカップルだよ。」
「えっ、そんなことないですよ。自分と先輩だと釣り合わないですよ」
俺は顔を横に振った。
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