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待つ事、数分。
道着に着替えた恭介がやって来た。
「よぉーし、みんな準備運動は終わったな。
それじゃ、2人1組に別れろ。」
恭介の言葉に子供達は2人1組に別れた。
「それじゃ~、今日は綱引きをやるよ。」
恭介はそう言うと、短いロープを1組に1本ずつ手渡した。
「準備いいなっ。
両足をくっ付けたまま一切動かずに綱引きをするぞ。
始めぇ~。」
恭介の声を皮切りに、子供達は1対1の綱引きを始めた。
力任せに引っ張る子、倒れない様に必死に堪える子、引っ張ったり力を緩めたりする子、子供達の行動は人それぞれのやり方で綱引きをしていた。
力の強い男の子とペアになってしまい全く勝てずに一方的にやられている女の子がいて、恭介はその子を自分の元へと呼ぶとコソコソと小声で何かを伝えた。
すると女の子は先程までと打って変わり、男の子に全く負けなくなった。
それどころか力任せに引っ張っていた男の子は、女の子の手に掛かってひっくり返ってしまった。
「「「おぉぉぉ。」」」
驚きの展開に子供達は歓喜の声をあげた。
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