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俺達は向かってくる守衛達を仮死弾で眠らせながら廊下を進み、ゲリュウの部屋の前に着いた。
「行くぞ……ウルスラ……」
「はい!」
俺達は頷きあうと扉を蹴破り、部屋の中へと突入した。
「何だね?騒がしい……侵入者をさっさと始末…………貴様は……」
部屋の中にいた妙に偉そうな太った男、ゲリュウが俺達を見て顔を青くし、立ち上がって壁際に寄った。
「テメェに名乗る名なんてねぇよ……さぁ『黄金の太陽』を渡してもらおうか……」
「き、貴様等にあれは渡さん!あれを手に入れるために私がどんな苦労を……」
俺は実弾を込めた銃を構え、ゲリュウに一歩ずつ近付いていく。
「テメェが裏稼業の奴に盗ませたクセに何を言ってやがる……!」
「お、おい!私にそんなことをしてただで済むと思って……」
俺はゲリュウが何かを言い終わる前に引き金を引いた。
その弾はゲリュウの顔を掠め、後ろの壁に穴をあけた。
それを見たゲリュウは白目を剥いたかと思うと、そのまま泡を吹いて気を失った。
「『黄金の太陽』はゲリュウのイスの後ろの壁に埋め込まれているみたいだ……ウルスラ、どうしたらいいと思う?」
「まず、何重にもセキュリティーは仕掛けられていると思うので、セキュリティーを解除しつつ進むべきだと思いますが……」
ウルスラは不安そうな顔で俺の方を見る。
多分、それをしている間に時間が掛かりすぎて警務の奴らが来るのを心配しているのだろう。
俺はウルスラの頭に手を置く。
「大丈夫だ。俺の『眼の力』を使って一気に取る」
「でも、それって疲れるって……「まぁ、あまり使いたくはないが、今はそんな事も言ってらんねぇからな……」
俺は目を閉じてそう言うと、一度深呼吸をして目を開けた。
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