一振り「侍、剣を抜く」

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「的場 山文 参上仕る」 仁王立ちし、ふてぶてしくも言い放った男の名は的場 山文(マトバ ヤマフミ) 今日、黒砂糖学園2年部に転校生してきた新入りである。 身長180cm弱。 黒髪。 切れ長の目。 そして、SAMURAI。 「えーと…じゃあ桜さんの隣の空席に座ってください」 陰でザビエルと呼ばれている教諭は山文にそう指示した。 山文は静かに腰を下ろし、時間は過ぎた。 山文の隣席の桜 音無(サクラ ネム)は学級委員長。 故に学校の案内をザビエルに任された。 「ねぇ的場君さぁ、一日中無愛想な態度だったけどそれじゃあ友達できないよ?」 通称、お節介世話役ババアの桜。 「今だって私がせっかく案内しているのに黙ってるし。って聞いてんのかコラ」 桜 音無 時々口が悪くなる。 山文は木刀を抜いて一心不乱に素振りをしていた。  
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