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「って本格的に素振りをすんなっ! 危ないからっ! ここ廊下だからっ!」
山文は不服そうな顔で木刀を収めた。
「で、ここが体育館で、あっちに見えるのが武道館。武道館は剣道や柔道をするところだから授業以外では使わないかな。今は剣道部と柔道部が練習してると思う。ちょっと覗いてみる?」
山文は首を僅かに左右に振った。
二人は一通り校内の施設を回り終えたので、教室に戻ってきた。
「結局一言も喋らなかったね。朝変な挨拶したんだから喋れないわけじゃないんでしょ?」
ピクッと山文の眉が3mm上がった。
「……なぁ朝の俺の挨拶変だったか?」
「うおっ!? 喋った」
「変だったか? あんな感じだろ。きっと、侍って」
「えぇぇ………侍? 的場君って侍なの?」
桜がひき気味に尋ねる。
「見て分かるだろ。ただよ……」
「ただ?」
「侍口調ってどーやんだ?」
「は?」
「いやだから侍口調ってどーやんのかって聞いてんだよ? キミ日本語ワカル? Do you know japanese?」
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