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「失礼極まりねぇ野郎だなソメイ」
「せめて言い切れよ」
「で、俺に侍口調教えてくれねぇか?」
「お前よく今の流れで私に侍口調教わる気になるな感心するよ」
「褒めても何も出ねぇぞ。出たとしても諭吉さん三枚くらいだ」
「いや十分だよ。むしろ有り難いよ。そうじゃなくてさ、私侍口調できるなんてまとバカに言ってないだろ? ってかできるわけないだろ」
「学級委員長なのにっ!?」
「お前学級委員長何だと思ってんだよ……」
「うわぁ……じゃあ明日からどうやって生きてけばいんだよ」
「今みたいに喋ればいんじゃない? 口は悪いけど無口よりはいいと思うよ」
「それじゃ侍じゃねぇじゃねぇか。俺は侍だ。妥協は許さねぇ」
「あ、スーパーのタイムセール始まっちゃう。行かなきゃ」
桜は教室に掛かってる時計を見ると、慌ただしく帰り支度を始めた。
机の中の勉強道具をしっかりと鞄にしまうあたりが学級委員長らしい。
そしてせかせかと教室の入り口に向かって歩きだす。
「ちょ、話はまだ! 俺はどうすればいい委員長!?」
「えーもう語尾に“ござる”でもつけとけば侍に見えるよ! じゃあね」
桜は教室から姿を消し、山文は静かに呟いた。
「その手があったか……」
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