死んだ魂

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「兄ちゃん……何があったの……兄ちゃんにもしものことがあったら、私どうやって生きていけばいいの。」 「…深琴、大丈夫だ。 医者がこういっているが、死なないよ。だから涙ぐむのはやめてくれ。気持ちは分かるから。」 うんと言った後、深琴は微笑んでいた。 それでいいんだ。 弦兵衛も微笑んでいた。 それから数分経ち、医者は首を傾げながら、治療を終えた。 「不思議な方ですね… この傷なら致命傷になっていたはずなのに……運が強いのでしょうか、それとも、神様に守ってもらっていたのでしょうかね。お大事になさって下さい。」 その言葉を残し、医者は帰っていく。 「兄ちゃん、父上が守ってくれたのかな?それとも蔵兄ちゃんが守ってくれたのかな?」 妹は、3つ並んでいる位牌の前に行き、手を合わせ拝む。 リンの音が部屋中に響きわたる。
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