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待っていた自分は、足音を聞いた。
トントン、トントン。
何かを叩きながら近づいている足音。
自分の目の前に、目を布で隠した女性がいた。
「お前の死は受け入れられず、だからこの暗く誰もいないこの場所にいるの。」
優しい声音でした。
「何故、受け入れられないのだろうか?」
「誰も信じなかった。それだけのこと。」
「信じなかった?」
「ええ。あなたは死んだ。でも誰も信じなかったあなたは、本当に自分が死んだのか分からない。」
そう言って女性は、死んでいて冷たいはずの自分の体を触る。
温かい。
その感覚を感じた。
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