9人が本棚に入れています
本棚に追加
「なにすんのよ!このセクハラ男っ!」
まだ首筋に顔を埋めている相手の肩をポカポカと叩くが、まったく離してくれない。
離れるところかますますエスカレートしてしまった。
「いっ…」
ツキンと首筋に痛みが走った。そしてそこをザラリと濡れた舌が舐めた。
「やだ、ほんとに離して…」
怖くなって無意識に体が震えてしまう。
瞳に涙が滲んでくる。
やっと顔をあげた彼は、そんな私を見て少し困ったように眉を下げた。
「男にそないな顔見せたらあかんで?」
「そんな顔ってどんな顔よ。大体私になにしたの?」
キッと相手を睨みつけて言った。
「なにって、キスマーク。」
そう言って彼は艶っぽい、色気をはらんだ笑みを浮かべた。
「なんでそんな……」
「ん~…、誕生日プレゼント?」
と、キスマークのついた部分を親指でそっと触れた。
「ほなな。」
チュッと私の額に口づけて、部屋を出て行った。
.
最初のコメントを投稿しよう!