act1

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"彼"とは、幼なじみで隣に住んでいる泉利緒。 ななつ年上で、昔からお兄ちゃんのように立ち回ってくれた。 彼はいつしか私の目標的存在になっていた。 いつも余裕そうで、胡散臭い笑顔を浮かべて、私だってまだまだ未熟な舞道も茶道も剣道も全部全部、彼のほうが上だ。 いつのまにか差が開いてしまって、悔しくて悔しくて、無我夢中で彼の背中を追い掛けた。 でも、彼はいつも手の届きそうなところでさらりとかわしてしまう。 捕まりそうで捕まらない。 今日、ひとつ年をとったことでなんとなくまた彼にちかづけたような気がする。 .
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