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「よう、朔良。誕生日おめでと~。」
そう言ってラッピングされた箱をくれたのはもうひとりの私の幼なじみ、泉那智。10も年が離れていて、昔からお兄ちゃんというより大人な感じだった。
「ありがとう。中開けていい?」
「ええよ、たいしたもんやないけどなぁ。」
ニッと笑いながら彼は言った。
ラッピングを解くと、中には可愛いくしとかんざしが入っていた。
「わぁ、可愛いっ!」
「せやろ?俺が見立てたんやもん。当然や。」
彼は自慢げにそう語った。
「ふふ、流石は有名呉服屋の跡取りだね。」
そう、那智も利緒も昔から代々築き上げられてきた有名な呉服屋の息子なのだ。
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