act1

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中を開けると、振袖に合わせた淡い色の帯が入っていた。 「ありがとうございます、ずっと大切にします。」 心からその言葉が出た。 お祖父様もまた目元をくしゃっとさせて微笑んでくれた。 それを持って自分の部屋に戻ると、お気に入りの座椅子にドカッと座り、和菓子とお茶を頬張っているアイツがいた。 どうして? なんでここにいるのよ。 「お、やっと帰ってきた。遅かったなぁ。」 と、あの胡散臭い笑顔を浮かべて言った。 「何が遅かったなよ、待っててなんて言ってなかったじゃない。それにいつでもいいって言わなかったわよね。」 責めるような口調で彼を睨みつけながら言った。 でも彼はくっくっと笑うだけでなんとも思ってないらしい。 「で、一樹はんはなんの用だったん?」 「あなたには関係ないでしょ。」 ぴしゃりとそう言い、貰った振袖を着物掛けにかけた。 「えらい綺麗な振袖やな。」 「誕生日プレゼントにお祖父様から頂いたの。母様が17歳のときに着ていたものなんですって。」 わざと誕生日プレゼントの部分を強調して言った。 彼はそれに気づいたのかわからないがまたくっくっと笑った。 .
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